【すき家騒動】ネズミ事件が示すSNS監視社会の未来

デジタル監視社会

ネズミ騒動が示す「監視社会の現在地」

SNSが“第二の保健所”になる未来

要は、今回の「すき家味噌汁ネズミ事件」って、消費者の投稿がきっかけで事実が明るみに出たわけですよね。企業側は2ヶ月も黙ってたのに、SNSで画像が拡散されたことで「やっぱ言わなきゃダメか…」ってなった。これって、もう消費者のスマホとSNSが“第二の保健所”みたいになってるんですよ。

昔だったら店の中で異物が見つかっても、「すいません」で終わるか、せいぜい本社にクレームがいく程度。でも今はその場で写真撮ってX(旧Twitter)やGoogleレビューに投稿されたら、一気に全国レベルの話になる。つまり、企業の不誠実がSNSによって暴かれやすくなってるんです。

で、これが常態化すると、飲食店とか小売りの現場は「いつバズられるか」ってプレッシャーの中で働くようになる。衛生管理や接客マナーに対して、ガチで「見られてる」意識を持つ人が増える。今までは「お客さんに気付かれなければOK」だったのが、「お客さんにスマホ持たれてるからNG」って時代に突入してるわけです。

バレなきゃいい時代は終わった

で、結局、「バレなきゃOK」みたいな昭和的な価値観が通用しなくなってるんですよね。企業の不祥事って、昔は社内で握りつぶせた。広報が「調査中です」って言っておけば何となく流れてた。でも今は、情報の流れが速すぎて、事後対応じゃ遅すぎる。

例えば、今回の件も1月に起きて、すぐには報道されなかった。企業はそれを「内部で解決した」と考えてた。でも3月にSNSで画像が出回ったことで一気に広がって、結局ゼンショーが謝罪せざるを得なくなった。情報の主導権が企業からユーザーに移ってるんですよね。

これ、企業だけじゃなくて政治にも言えることです。官僚の会食や議員の発言も、今や市民がスマホで撮ってSNSにアップしたら、すぐ炎上する。要は、バレなきゃいい時代が終わったってことなんですよ。

“事実”より“拡散力”が影響力を持つ社会

AI生成か本物かはどうでもいい

で、面白いのが、SNSで最初に拡散された味噌汁の画像が「AIで作られたフェイクじゃないか?」って言われてたことなんですよ。実際、SNS上では「影が不自然」とか「構図がおかしい」とか言ってる人がいました。

でも結局、企業が事実だと認めたわけで、画像の信憑性云々よりも、「こういう画像が出た」って事実そのものが社会的に大きな影響を持った。つまり、もはや“本物かどうか”じゃなくて、“どれだけ人の感情を動かせるか”が情報の力になってるんです。

これ、ちょっと怖いのは、仮に本当にAIで作ったフェイク画像だったとしても、「すき家=ネズミ」って印象がついた時点で、企業側は負けてるんですよ。AIの進化によってフェイクコンテンツが簡単に作れる今、情報の“正しさ”より“拡散力”が先に立っちゃう時代になる。

「炎上しそうなことは最初からしない」社会へ

じゃあ今後どうなるかというと、企業や個人が「これは炎上するかも」って事前に判断して、自主的に行動を制限するようになると思うんですよね。これって、良い意味でも悪い意味でも“萎縮”なんですけど、炎上を恐れて行動が慎重になる。

例えば、バイトテロみたいな行動って、10年前は「ウケるw」で終わってたけど、今や人生詰むレベルの代償があるからやる人が激減してる。今回の件も、すき家は今後どんなにコストがかかっても、店舗の衛生管理は強化せざるを得ない。つまり、「炎上しそうなことは最初からしない」って社会になっていく。

ただ、それって逆に「息苦しさ」も生むんですよね。SNSの影響力が強すぎて、小さなミスでも拡大解釈されて叩かれる時代になる。善意で行動したことすら「悪」にされかねない。で、人間って叩かれたくないから無難な行動しか取らなくなる。個性が死んでいく社会が来るかもしれないんですよね。

“異物混入”がもたらす消費者行動の変化

「外食=リスク」と考える層が増える

今回の件で特に大きいのは、消費者の「外食=安全」というイメージが揺らいだことです。だってネズミ入ってたんですよ。しかも画像がある。そうすると、「自炊のほうがマシじゃん」って考える人が出てくる。

これって飲食業界にとっては結構なダメージです。コロナ禍で「おうち時間」が増えて自炊スキルが上がった人が多い中、さらに「外食=危ないかも」って印象を持たれると、外食控えが加速する。実際に最近は「外食は月に1~2回だけにしてる」って人も増えてるんですよね。

それって業界全体にとって痛手で、利益率の高い飲料やサイドメニューが売れにくくなる。みんな最低限しか注文しない。結果、利益が出ないから人件費削ってサービスが悪くなる。で、また客が減るっていう悪循環に入っちゃう可能性がある。

サプライチェーンと衛生の再設計が必要

あと、今回の件で分かったのは、単に店の清掃が不十分とかじゃなくて、「ネズミが入れる構造」自体が問題だったってことなんですよね。つまり、サプライチェーンの最初の段階から見直さないとダメって話になる。

食材の保管方法とか、配送時の衛生状態とか、調理場の設計まで全部。これ、飲食業界全体でコストが跳ね上がる可能性があります。今まで「安くて早くてウマい」だったのが、「ちょっと高くても安全」って方向にシフトしていく。

でも、そうなると「高いから行かない」って層も出てくるから、飲食業界は高価格帯と低価格帯で二極化していくと思うんですよね。中途半端な店は潰れる。結果として、生き残るのは“超高衛生”か“超コスパ”のどちらかに振り切った店だけになる。

デジタル時代の“信頼”とは何か

レビュー文化の進化と「信用スコア」社会

結局、今の社会って「誰かが言ってるから信じる」って仕組みなんですよ。で、それが昔はテレビとか新聞だったのが、今はGoogleレビューとかXの投稿に変わってる。今回のすき家の件でも、最初の投稿は単なる一般人のクチコミですよ。でもそこに画像があって、共感が集まった瞬間に真実味が出る。

つまり、「どこで言われたか」じゃなくて「誰が言ったか」「どれだけ共感されてるか」で、情報の信頼度が決まる。で、こういう状況が進むと、レビューや投稿の履歴が“信用スコア”として機能し始めるんですよね。

たとえば、今後は飲食店だけじゃなく、病院、美容室、引っ越し業者とか、生活のあらゆるサービスに対して「この人のレビューは信頼できる」ってユーザーが影響力を持つようになる。それが一種の“個人メディア”化するわけで、企業もそういう人に対して「インフルエンサー対応」をしなきゃいけなくなる。

人より“記録”が信じられる社会へ

で、その先にあるのが、「人の言葉」より「証拠画像・動画」の時代なんですよ。今回のすき家の件も、言葉だけだったら「嘘じゃね?」で終わってた。でも、画像があったから信じられた。つまり、今後は「言うより見せる」が信頼を勝ち取る方法になる。

そうなると、サービス業や小売業では「常に記録されること」が前提になる。防犯カメラとかライブ映像のアーカイブ化が進んで、「これはいつどこで誰がやったか」を証明する仕組みが求められる。つまり、人を信じるんじゃなくて、システムを信じる社会になる。

そういう意味で言うと、日本ってまだ「記録文化」が遅れてるんですよね。たとえばフランスだと、店内のトイレや厨房にもカメラが普通にある。でも日本は「プライバシーが~」って理由であまり普及してない。で、結果として不祥事の証拠が残ってなくて、「証拠がないから無罪」みたいな話になる。

これからは、プライバシーと透明性のせめぎ合いの中で、「どこまで記録していいか」が再定義されると思います。

衛生管理の“定義”が変わる時代

衛生=設備+AI監視の時代へ

昔の衛生管理って、結局「人間の目と手」に頼ってたんですよね。でもそれだと限界がある。ネズミが入り込むクラック(建物の隙間)に気づかないとか、厨房が忙しくて確認を怠るとか、人間って必ずミスするんです。

で、今後の流れとしては、AIによる厨房モニタリングが増えると思うんですよ。たとえば、監視カメラの映像をAIが解析して、異常な動きや衛生上の問題をリアルタイムで指摘するとか。温度管理とか在庫の期限チェックも自動化されて、「人間の確認」は補助的な役割になる。

さらに言えば、食材のトレーサビリティ(追跡可能性)も重要になる。つまり、「この味噌汁の具材はどこから来て、どの工程を経て提供されたか」がすぐに分かるようなシステム。そうなると、異物混入が起きても原因の特定が早くて、対処も速い。

これって、結局「衛生管理=設備とAIの融合」って話なんですよね。だから、資本力のない中小企業はどんどん淘汰されていく。生き残るのは、テクノロジーと資金力がある企業だけ。

衛生トラブルは“ブランドリスク”に直結する

あと、昔と違って「衛生トラブル=経営危機」に直結する時代になってます。特に今回のように画像付きで拡散されると、「イメージ」だけで店の売上が落ちる。どれだけ誠意を見せても、「あの店=ネズミ」ってイメージはなかなか消えない。

で、ブランドって“信頼”で成り立ってるから、1回のトラブルで何年もかけて積み上げた信用が一瞬で崩れる。それを取り戻すには、むしろ通常よりコストをかけて「やりすぎ」なくらい衛生対策を見せるしかない。

つまり、今後は「衛生=ブランド戦略」の一部になるってことです。清掃ロボットを導入したり、調理中の様子をライブ配信したり、「うちはこんなに気をつけてますよ」ってアピールが重要になる。逆に、それができない企業は「何か隠してるんじゃないか」と思われて信用を失う。

“疑う目”を持つ消費者の時代

「見えないリスク」に敏感な社会

最後に、こういう衛生問題って、「見えないリスク」に対して人がどれだけ敏感になるかを表してるんですよ。食べ物って基本的に信用で成り立ってる。厨房の中って見えないから、「大丈夫だろう」と思って食べてるわけです。

でも、一度こういう事件があると、「本当に大丈夫か?」って疑う目を持つようになる。で、その不信感は簡単には消えない。結果として、「見えないものは信じない」「確認できないものは使わない」って消費者が増える。

たとえば、チェーン店よりもオープンキッチンの個人店のほうが好まれるようになったり、自炊・宅配食が見直されたりする。テクノロジーを駆使して「見える化」されたサービスが選ばれるようになる。

要は、「何を売ってるか」より「どうやって売ってるか」が問われる時代になるってことです。

これからの時代に求められる“透明性”

で、これからの企業経営で一番重要になるのは“透明性”だと思うんですよね。間違いやトラブルは、どんな企業でも起こる。でも、それを隠すのか、すぐに開示して対応するのかで、信頼度が全然違う。

今回の件も、もしすき家がすぐに「ネズミ入ってました、ごめんなさい」って言ってれば、ここまで炎上しなかったと思うんですよ。だから、企業は今後「謝る力」「正直である力」が問われる。

で、それって実は、個人にも言えるんですよね。SNSにおける発言とか、レビュー投稿とか、全部「記録として残る社会」になってる以上、ウソをつかない、責任を取る、そういう力が必要になる。

つまり、今後の社会って、誠実である人と企業が生き残る世界になるんですよね。だから僕は、ネズミが味噌汁に入ってた事件を笑い話で終わらせるんじゃなくて、「これからどうあるべきか」を考えるきっかけにしたほうがいいと思ってます。

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